2024年3月16日土曜日

次回予告 第三章 脇役に徹した男 其の五「明石入道」

 「岸本久美子と読む源氏物語

 2024年4月11日配信開始(第2・第4木曜日)

其の五 明石入道

――光源氏に王権を奪還させた男

明石入道は、今では一受領にすぎませんが先祖は、皇族だったようなことを匂わせています。入道の父は何らかの事情で失脚したけれども、元は大臣で高貴な家系です。

そしてその大臣の弟大納言の娘が、光源氏の母桐壺更衣なのです。弟大納言は娘に夢を託して当時の桐壺帝に無理にも入内させ、そこに誕生したのが光源氏です。一方兄大臣の息子である入道はその娘に一族復権の夢を託しました。娘と源氏との間に生まれた孫が入内して男児を産み、帝となることが約束され、入道一族の、そして光源氏の王権復権がかなったのです。脇役とは言いながら、明石入道の存在なしに源氏物語を語ることはできないのです。

これまで同様月二回全8回で完結の予定です。
引用原文は「新潮日本古典集成」によります。

1播磨の明石の浦   若紫、須磨、明石  

2つつましうなりて  明石

3あたら夜の     明石

4しほじむ身となりて 明石

5老いの涙      澪標、松風

6いとうれしく    若菜上

7須弥の山      若菜上

8明石一族のその後  若菜下、匂宮

「岸本久美子と読む源氏物語」第三章其の四 (八)くちをしきことども

  岸本久美子と読む源氏物語」第三章其の四 (八)くちをしきことども


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