月ヶ瀬梅渓の梅
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源氏物語「梅枝」の巻は梅の香に満ちた巻です。
きさらぎの十日、雨すこし降りて、御前近き紅梅盛りに色も香も似るものなきほどに、兵部卿の宮わたりたまへり。
とあって、梅かおる源氏の邸に弟の兵部卿の宮がやってきます。
ちょうどそこに朝顔宮から、梅の枝に結び文をつけた届け物がありました。その使いの者に源氏は紅梅襲の装束を与えます。
兵部卿との薫物合わせを楽しんだあとは宴会になり、そこでは『梅が枝』という歌が歌われ、帰ってゆく兵部卿の宮にはお土産として梅花香と言う名の香が渡されるのでした。梅づくしです。
王朝人は四季折々の自然の移ろいを愛し、それを生活の一部ともしていました。そして、現代の私たちにもその血は受け継がれてます。その証拠に新聞にはこの季節「梅だより」が掲載されているではありませんか。
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