この春は、例年より早くつつじが最盛期を迎えました。
つつじも色々種類がありますが、今、あちこちで見かける艶やかな大輪のつつじは、いつ頃からのものなのでしょうか。
源氏物語に、つつじを探してみたのですが、ただ一度、「岩躑躅」として登場しているだけでした。
南の東は、山高く、春の花の木、数を尽くして植ゑ、池のさまおもしろくすぐれて、御前近き前栽、五葉、紅梅、桜、藤、山吹、岩躑躅などやうの、春のもてあそびをわざとは植ゑて、秋の前栽をば、むらむらほのかにまぜたり。(少女の巻)
光源氏が新たに造営した六条院の春の庭、紫の上と光源氏の住む区画の庭の様子です。
「岩つつじ」を調べてみると、ミツバツツジのことを指すという説もありますが、現在は「夏に丸い葉の下に小さい釣り鐘型の花を付ける山野草」とされているようです。
紫の上の春の庭の「岩躑躅」は「春の花の木」とありますし、その華やかさから言っても地味な山野草ではなく、ミツバツツジのように思われます。ミツバツツジは桜の終わった頃に山肌を華やかに飾る花ですから。
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