青柳になぞらえられた女三宮
にほひやかなるかたは後れて、ただいとあてやかにをかしく、二月の中の十日ばかりの青柳の、わづかにしだりはじめたらむここちして、鶯の羽風にも乱れぬべく、あえかに見えたまふ。桜の細長に、御髪は左右よりこぼれかかりて、柳の糸のさましたり。(若菜下の巻)
女楽の夕べ、女君たちが、六条院廂の間に集いました。
その夜の女三宮の姿は、光源氏の目に、こういうふうに映りました。
近くで見ると |
旧暦二月の中旬は、ちょうど今頃にあたります。高野川や賀茂川べりの柳も、細い枝が青くなって揺れています。
この時期の若柳は、あえかな、いかにもか弱くて、頼りなげな、若いころの女三宮のイメージにぴったりだと思います。
私はこの時期から柳絮を飛ばす頃までの柳が好きです。
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